◇賃金の計算を事務処理業者に委託する場合の留意事項◇

Q.当社では、経費削減のためアウトソーシングを進めており、給与計算と  
支払事務関係を専門業者に委託することを検討しているのですが、直接払  
いとの関係で法的に問題はないでしょうか。

A.賃金は直接使用者が労働者に支払うこととされていることから、責任の  
所在を明確にしたうえ、賃金が使用者自らの管理する使用者の口座から支  
払われるときには違反となりません。
 
第三者である外部の専門業者が、賃金の計算や口座振込みの事務手続きを  
行うものであっても、それらの内容の確認や口座振込みの指示、承認を使  
用者が的確に行い、かつ、口座振込みが自らの管理する使用者の口座から  
行われる場合には、適法とされます。
 
なお、賃金台帳は適正に調整(記録)し、保存するとともに、賃金の支払  
いに第三者が関与していることによる無用な誤解を生じさせないために、  
賃金の支払い事務処理のみを専門業者に委託していること、賃金支払いの  
責任はあくまでも事業場にあることを従業員に周知徹底しておくことが望  
ましいといえるでしょう。

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このQ&Aに関する法的根拠や罰則は・・・  
⇒労働基準法24条(賃金の支払)  
⇒平18.4.1基監発0401001(賃金の計算事務等の委託に伴う賃金の支払  
についての労働基準法上の取扱いについて)

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